金沢おでんとは、車麩、赤巻、ふかし、バイ貝、カニ面、金沢銀杏(ぎんなん)を使ったひろず、源助大根などの加賀野菜といった金沢独特の具と、各店が大切にするだしを用いたものと定義されています。(「金沢おでん老舗50年会」による)
赤玉本店のこだわり
おでん出汁

戦前は洋食店だった店頭で、料理人だった亡き夫の遺志を継ぎ、初代女将が女手ひとつで店を切り盛りするためにおでんの提供を始めた1947年。
以降、毎日欠かさずつぎ足し続けている秘伝のおでん出汁は、厳選された昆布と煮干しをベースに、金沢のおいしい水で手間暇かけて煮出した、手作りならではのやさしい味わい。
余分なものが一切入っていないため、なめらかで透き通るようなこがね色をしています。
旬の加賀野菜や、一つひとつ丹精込めて作られた練り物からにじみ出るうまみ成分がたっぷりと溶け込んで、すっきりとしながらも、なんともいえない深みのあるおいしさです。
黒出汁

赤玉本店では、「おでん出汁=白出汁」と、「黒出汁」の2種類のお出汁を使い分けています。
名物の『牛すじ煮込み』や『湯豆腐』に使われるのは、秘伝のおでん出汁に金沢の大野醤油を加えたほんのり甘い黒出汁です。
金沢の海の玄関・大野で作られる醤油は、前田家三代目藩主、前田利常が加賀を統治した元和年間の時代から学び伝えられた伝統の醸造法を用いています。
水が豊富で、醤油の発酵における麹菌の育成に適した地である大野で醸し出されるうまくち醤油は、加賀料理に欠かせません。
赤玉本店では、無着色・無添加のオリジナルブレンドの丸大豆醤油を使用。
うまくち醤油独特の甘い香りがふわっと口の中で広がります。
おでん種

赤玉本店では約40種類の具材を提供しています。
金沢おでんの代表的な具材、車麩や赤巻、バイ貝を始め、定番の大根やキス科のにぎすを使用したつみれなど、
厳選された食材をもとに丁寧に一つひとつ手作りしています。
オリジナルのおでん種や、旬の加賀野菜など四季折々の食材を取り入れ、季節ごとに表情を変える『金澤おでん』を、
年間を通してお楽しみいただけます。
金沢の風土が培ってきた安心・安全な食材をもとに作られるふっくらとやわらかなおでんは、お子様やお年寄りも安心してお召し上がりいただけます。
歴史と伝統

昭和2年(1927年)、金沢・片町の地にて、初代店主が洋食店「赤玉」を創業しました。
料理人だった亡き夫の遺志を継ぎ、初代女将が女手ひとつで店を切り盛りするためにおでんの提供を始めた1947年以降、寒さの厳しい北陸の地で、身体も心も温まる「おでん」は、瞬く間に多くのお客様に親しまれ、地元に根ざす味としてその名を広げてきました。
戦後の復興期には、赤玉のおでんが多くの人々の癒しとなり、昭和から平成、そして令和へと、時代の移ろいとともにその味を守り続けてまいりました。二代目、三代目と店を継承し、令和元年には現四代目が東京から地元へ戻り、新たな時代の「金澤おでん」としてのブランド確立に取り組んでいます。
老舗の味を受け継ぎながらも、通販や季節ごとのメニュー開発など、現代のニーズに寄り添った新たな挑戦を続けています。金沢の味を、全国へ。赤玉本店は、これからも変わらぬ出汁と想いで、皆さまをお迎えします。